ミリタリー | 趣味・実用 | 感想 2010.09.20 (月)
大場弥平、上田修一郎(共著)『ナポレオン戦略』甲陽書房(1966年)


・ナポレオン戦争のことを全く知らなかったので読んでみた。

・読んで一番最初に思ったのはナポレオンというのはしぶとい男だということ。自身が直接指揮した40回におよぶ戦いでほとんど負けていない。戦争名に個人の名を冠するのも無理ないと思った。

・本の調子が講談調で威勢がいい。つらつら眠くなるような文体の本でなくてよかった。とくに最初に触れるものだから面白みがないとね。

・前半の戦役より終盤のほうが詳説されているような気がする。1814年フランス国内戦役で五里霧中のなか弱兵をもって連合軍に痛手を負わせたのはすごい。ナポレオンの戦術眼には恐れ入る。



ノートにメモったのから少し。


ナポレオン曰く、
「余は良将2人を戴くよりも、劣将1人を戴くをもって優れると信ずる」
『ナポレオン戦略』p.79

ナポレオン曰く、
「余は絶えずあらゆる可能なる物について熟考(じゅっこう)する。……余は常にあらゆる自問自答し、あらゆる態度を定める。……他の者にしてみれば不意に起こった瞬間に、余が語り、または行ったすべてのことが、突然余に授けられた霊感のように思われるが、そうではなく余の事前における熟考と思索の結果に他ならない」
『ナポレオン戦略』p.87

ネルソンはこの一戦において名誉の戦死を遂げた。「予は予の義務を果たせり。神に感謝す」との言葉を残して。
『ナポレオン戦略』p.129

ナポレオン曰く、
「忍耐強き1人の兵士は、優に疲労せる1大隊に勝る」
『ナポレオン戦略』p.79

ナポレオン曰く、
「アレクサンドル、ハンニバル、シーザー、グスタフ・アドルフ、チュレンヌ、ユージン、フリードリヒの戦史は再三読んでこれにならうべきである。これ他日名将となり、兵術の秘術を極める唯一の手段である。またいかなる原則を、偉人の行った要素に立ちもどってならうべきか否かは、教育で開発し得た汝の知恵がよく汝を示教するであろう」
『ナポレオン戦略』p.245

乞食と道化者の大郡のように成り果てたフランス軍縦隊のなかに、ナポレオンもまた肩を並べて退却した。かれは、「お前、さぞ寒いだろうな」と老兵にたずねた。
「いいえ陛下、あなた様のお顔を拝みますと、わたくしは暖かくなってまいります」
『ナポレオン戦略』p.273

風にそよぐ柳(やなぎ)の枝も幽霊に見えるというが、敢然たる戦意なき将帥の目は曇るのである」
『ナポレオン戦略』p.280

ナポレオン曰く、
「危機に際して演説するは、兵士の勇気を感奮せしむるの効なし。老練なる士卒はほとんど聞いていない。新募の兵は第一の砲声とともに忘れてしまう。ただ演説は長期の戦役中、有害なる誘惑、虚説を撲滅し、軍の士気を維持し、または野営中の談柄(だんぺい)を授くるために有益なり」
『ナポレオン戦略』p.480
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