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ミリタリー | 趣味・実用 | 感想 2015.08.08 (土)

House, Jonathan M. Combined Arms Warfare in Twentieth Century. Kansas: University Press of Kansas, 2001.
(ジョナサン・ハウス『20世紀における諸兵科連合戦』カンザス大学出版、2001年。)

本書は、題名のとおり20世紀における諸兵科連合戦の歴史の本です。もともと1984年に軍の教科書用に書かれたもので、増補改訂されて2001年あらたに出版されました。1984年版(ネットで公開されています)は納得した出来ではないので2001年版を買って読んでくれとアマゾン・コムのレビューで著者自身が言っています。



内容は、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・ソ連/ロシアの五か国を中心として、兵器と兵科を組み合わせてどのように戦っていったのか戦例を交えつつその変遷を追っていきます。まさに教科書ですね。日本もヤラレ役として出てきます(戦例がリモン峠とコヒマ……)。

個人的に驚いたことに、陸空協同について少なからず項が割かれています。エア・パワーの信奉者は空軍独自の作戦に固執し、近接航空支援はいやがる様子が何度も出てきます。第二次大戦初頭、ドイツのみが初歩的な近接航空支援体制を整えていたが、大戦末期となると米英も整えてきます。ところが核兵器の登場で近接航空支援は忘れ去られます。朝鮮戦争でアメリカ軍はまた思い出しますが。湾岸戦争とユーゴスラビア爆撃を見ても、エア・パワーは大変有力な手段であるがそれだけでは敵を屈服させることはむずかしいと述べています。

冷戦期の各国の状況はほとんど知らなかったのでかなり興味深かったです。第二次大戦が終わってから四半世紀ぐらいどこの国も核戦争に対応できる編成に改編してたのですね。

きちんと語られているわけではないですが、本書の構図は明瞭です。

よい軍隊→分権的、任務指揮、兵器の統合使用
悪い軍隊→集権的、命令固守の指揮、偏った兵器の使用

このような見方は現在でもアメリカ軍事界のなかにあると思います。もちろん軍隊にもいろいろな見方があります。たとえば、荻生徂徠は明の軍隊を集権的と日本の軍隊を分権的とし、明の軍隊の優秀さを語っています。



多少研究史を追っている第一次大戦の項から察するに少し古い記述なのかもしれません。しかしながら20世紀通常戦の一連の流れを書いたものとしておススメできる本だと思います。







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