Roots of Strategy

あまりに更新してないので、本の紹介を。



Roots of Strategy: The 5 Greatest Military Classics of All TimeRoots of Strategy: The 5 Greatest Military Classics of All Time
(1985/02)
Wilhelm Leeb、 他

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Roots of strategyという本があります。主に欧米の軍事思想家たちの著作を収録した本です。
記念すべき第1巻は1943年発行という、とても古い本です。

1巻に収録されているのは、

孫子
ヴェゲチウス
ド・サックス
フリードリヒ大王
ナポレオン

の著作らしいです。たぶん抄訳でしょうね。
『孫子』の訳は、現在英語で定訳となっているサミュエル・グリフィス訳ではないと思われます。



Roots of Strategy, Book 2: 3 Military ClassicsRoots of Strategy, Book 2: 3 Military Classics
(1987/03)
James Donald Hittle

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第二巻は

ドゥ・ピック
クラウゼヴィッツ
ジョミニ

クラウゼヴィッツのPrinciples of warというのは??



Roots of Strategy, Book 3: 3 Military Classics : Von Leeb's Defense/Von Freytag-Loringhoven's the Power of Personality in War/Erfurth's SurpriseRoots of Strategy, Book 3: 3 Military Classics : Von Leeb's Defense/Von Freytag-Loringhoven's the Power of Personality in War/Erfurth's Surprise
(1991/02)
Wilhelm Leeb

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第3巻は

フォン・レープ
フライターク・フォン・ローリングホーフェン
Erfurth

正直、誰?ですね。戦間期の軍人だと思うのですが。



Roots of Strategy Book: 4 Military Classics : The Influence of Sea Power upon History, 1660-1783,  Some Principles of Maritime Strategy, Command of the Air, Winged DefenseRoots of Strategy Book: 4 Military Classics : The Influence of Sea Power upon History, 1660-1783, Some Principles of Maritime Strategy, Command of the Air, Winged Defense
(1999/08)
David Jablonsky

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第4巻は

マハン
コーベット
ドゥーエ
ミッチェル

ここら辺は近代の軍事思想家として日本でも紹介されてますね。



第3巻の人たち以外は『戦略思想家事典』に載っています。

わたしはとりあえず第1巻のヴェゲチウスの『古代ローマ人の軍制』と『ナポレオン金言集』だけ読みたいですね。コーベットもできれば…ですが、難しい英語らしいし、彼のはほかの本でもいいような気がします。あっ、でも解説もあるのか。


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孫子解説

北村佳逸『孫子解説』立命館出版部、初版1934年(1939年戦時廉価版発行)

・この本を知ったのは『戦略思想家事典』の孫子項で、ヤフオクで安く出品されていたので入手した。
・言葉の端々から変人臭がし、日本語英語中国語等が入り乱れる本文は著者の頭のなかにあるものをそのままに文章にしてぶち込んだような感じがする。
・解釈は独創的。私はこんな風な解釈を知らなかった。
孫子の注解は大てい読破したが、どれも気に食わなかった。人の講義を焼き直したものでないから思うままに解説して鋳型がない、僕は鍛冶職を学ばなかった。僕には僕一流の見解がある(「著者の私語」より)」
・しかしなんといっても、軍事に対して含むところがないところがいい。なにかよそよそさを感じさせる戦後の本とはちがう。裸一貫、真剣勝負を挑むような姿勢だ。キレのいい言葉は心地よさを誘う。



すこしだけ本文を抜粋してみる。


孫子曰ク兵ハ国ノ大事。死生ノ道、存亡ノ道ナリ。察セザルベカラズ。

[訳]
戦は国家の重大事件である。軍人としては作戦計画の良否がただちに死と生との運命を定める分水嶺であり、国家としては興廃の岐路に置かれる。(戦争は濫費であり大いなる破壊である、濫費のあとにくる緊縮調整、破壊の次におこるべき再組織の責任まで考慮の中に入れたら、容易に戦端を開かるべきものではない)深く考察してから始めねばならぬ。

[解説]
劈頭に大炬火を点じて綱領を示す。この筆法は老子に同じ。不用意にこれを受け取れば孫氏の平凡に驚くであろうが彼は野蛮人のする感情的喧嘩を説くのではない、きわめて組織的な理詰めで推していくので、彼氏は悠然として筆を進め一字一句一節と次序を追って戦争哲理を組み立てていく。この節は戦の定石から始まり徐々にその変化に及ぶ。
老子に”常を知るのが明。常法を知らないものは妄動してその結果は必ず悪い。常法を知れば寛容になり、その延長は原則を体得するに至り、死ぬまで危いことがない”
この安全第一主義が編末まで脈をうっている。わかりきった安全な道理が実際においては行われがたいのは、わかりきっていない証拠である。、個人にあってなんでもない口論から喧嘩へ、喧嘩から刀傷へと深入りし、時としては復讐の遺産を子孫にまで相続させる。個人の累集である国家でもその通り、群集心理に誤られて思慮深い将軍でも興奮して全軍を死地に投ずることが多い、だから孫子は開巻第一節において老教官が青年将校に訓示するような口調で”不可不察”と内省を促した。

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新年

去年はほとんど更新できませんでした。残念。会社勤めだときついものがあります。
さいきんはもっぱらツイッターでつぶやくぐらいでした。

ということで、去年と同じく2011年ベスト1をつらつらとあげていきます。2011年に発表されたものではなくて、2011年に私が出会ったものでです。



文庫

ガリア戦記 (岩波文庫)ガリア戦記 (岩波文庫)
(1964/01)
カエサル

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2000年のときを経て残る読み物というのはやはりすばらしい。簡潔なようで妙に熱っぽい文体。血湧き肉踊る戦記物です。軍事学的観点から見やすく、ナポレオンがカエサルの書は読んだほうがいいといったのも頷けます。数訳ありますが、わたしは断然近山金次訳をオススメします!



ツイート

紅井 寿甘(紅/美優亭風流)@akai_suama
女子同士の「可愛くなったねー!」が出会い頭に剣打ち合わせて「強くなったな……」に相当するなら、「ちょっと太った?」とか聞く奴は打ち合いで圧倒して「貴様の剣、鈍ったのではないか?」と聞いてくる格上系ライバルキャラ

笑いながら感心。ずっと忘れられないので。



映画

【映画パンフレット】 『コクリコ坂から』 出演(声):長澤まさみ.岡田准一.竹下景子.石田ゆり子.風吹ジュン/スタジオジブリ【映画パンフレット】 『コクリコ坂から』 出演(声):長澤まさみ.岡田准一.竹下景子.石田ゆり子.風吹ジュン/スタジオジブリ
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映画館に二度見に行った良作。わたしは好き。主役3人のようになりたいとも思った。だけど場面転換に違和感を感じた。なんか変。切り方がおかしい箇所があった。



漫画

シートン 第1章―旅するナチュラリスト (アクションコミックス)シートン 第1章―旅するナチュラリスト (アクションコミックス)
(2005/03/28)
谷口 ジロー

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谷口ジローがマイブーム。そのなかでもシートンはとくに面白かった。読んだのは1巻だけだけど。物静かな作風に、野獣の鬼気迫る姿、シートンの哀しみ。すばらしい!



ビール

ベルギービール ベルビュークリーク 330ml缶ベルギービール ベルビュークリーク 330ml缶
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ベルビュー

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東京に行ったとき飲んで、死ぬほどうまかったので。やっぱり缶より樽生のほうがおいしい。生飲みたいー。





去年の4月以降は全くだめですね。ぜんぜんだめ。本も読めてないし、映画も見れてないし。
やはり会社務めは合ってないのかもしれません。

嗚呼、『中東戦線史』でも書きたいナァ。カレルや軍記物語ばりの講談調で。

楠木正成に対する私の論点

楠木正成に対する私の論点。少しまとめる。

・ゲリラ戦の名手なのか
戦後の楠木正成に関する記述では、ゲリラ戦の名手などとしているものが多い。しかし正成は元弘の乱だけ、つまり千早城と赤坂城の戦いだけではなく、尊氏反乱後の戦いにも加わっている。尊氏反乱後の戦いは正規戦である。
そもそもゲリラ戦というのは、「不正規で、主勢力を現地住民が占める部隊により、敵が保持する地域或いは敵領土内で行われる軍事作戦及び軍類似作戦をいう(統幕用語)」(真邉正行編『防衛用語辞典』)である。元弘の乱でも正成は篭城していたわけであって、ゲリラを主導していたわけではない。渡辺橋の戦いという野戦も行っている。

・洛中合戦
1335年12月29日の戦いはあったのか。『太平記』は偽の退却によって足利軍を分散させ、それに乗じて一気に京へ討ち入ったとしている。しかし、『太平記』以外ではこの記述はなく、より史料性が高いとされる『梅松論』は「29日は合戦なし」と記述している。軍忠状などにも29日合戦に言及しているものはないようで、29日合戦の存在は疑わしい。

・旧軍の研究
戦後の文献では、戦前の将校による研究を無視することがほとんどである。たしかに皇国史観に染まったようなものが多いが、戦のプロなのでこれに関しては興味深いところがある。林部與吉中佐などは皇軍将校には珍しく批判精神があるようで、彼の古戦史に関する記述はとくに面白い。

・必勝の信念なき軍隊
しばしば忘れがちになるが、南北朝時代の兵の士気は恐ろしく低い。戦国時代のように組織的ではなく、確固たる信念があるわけでもない。一族郎党以外の兵はすぐ逃げ、すぐ裏切る。これこそ新田義貞が湊川の戦で圧倒的不利にもかかわらず戦うことなしに京へ退却できなかった所以となる。リーダーシップを疑われては集まる兵も集まらなくなるからだ。義貞はこれを恐れてついに陣を引くことができなかった。彼とて歴戦の武将であるから自軍の片翼に面する瀬戸内海の危険性に気付かないわけがない。義貞には水軍なく、尊氏には大量の水軍があった。

・指揮の統一性の問題
大塔宮の死亡とそれが与えた軍事的影響、とくに指揮の統一性の問題。尊氏反乱後はしばらく北畠と新田が相並ぶようになったために、統帥上の混乱が見られる。





今の楠木正成のトレンドは以下の2点だと思われる。

・正成の出自に関する問題
・皇国史観からの脱却

私にはあまり注目を引かない問題で、むしろ皇国史観を意識するあまり首をかしげる記述も多い。


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名将とはなにか

床屋談義です。



「名将に学ぶ〜」や「名将の〜」と本の題名にあったりするが、そもそも名将とはなんなのか。


孫子はこう述べている。

「昔から戦いの奥義を極めた者は、容易に勝てる敵に対して勝ったのである。それゆえに、奥義を極めた者が勝利を収めても、智者という名声も挙がらず、勇者という名誉を受けることもなかったのである。なぜなら、彼のもたらす勝利は、大向こうをうならせるようなものではなく、無理のない至極当然の勝ち方であったからである。無理のない至極当然の勝ち方とは、戦う前にすでに勝利を収めていること、即ち、既に敗すべき態勢になっていた敵を打ち破ったことを意味しているのである。それ故に、練達の将帥は、不敗の態勢を占めて、敵の牛耳を取る機会を逸することがない」(P52-3)

そしてこう結論付ける、「そのゆえに、勝兵はまず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗兵はまず戦いてしかる後に勝を求める(勝利を収める軍隊というものは、戦いを挑む前に勝利を収めているものであり、敗北の運命にある軍隊は、勝利の目算もなく戦うものである)」

こういう将軍像で今頭に浮かぶのは、ウェリントンの系譜に連なるイギリス将軍である。第1次大戦、中東戦線においてエドモンド・アレンビー将軍はつねに敵を圧倒する戦力を保持しようとし、実際に戦いにいたる前に敵を敗勢にいたらせる策略をめぐらして、ついに敵を殲滅した。

第1次大戦で述べるならバーナード・モントゴメリー、ならびにウィリアム・スリム将軍が浮かぶ。モントゴメリー将軍は北アフリカ戦役において、知略を尽くす敵将ロンメルを敵を上回る戦力、よく準備された防御陣地によって撃破した。

スリム将軍は太平洋戦争開戦初頭、ビルマで日本軍に追い散らされてから臥薪嘗胆し、戦力の増加、軍の革新につとめた。そして1944年敵の攻勢を逆手にとって撃破し、つづく1945年イラワジにおいて有利な戦力、敵の思いもよらない攻撃によって、ビルマの日本軍を崩壊させた。

日本古戦史中、織田信長はこれに当てはまるかもしれない。長篠の役において、武田軍を自らの有利な地形に誘い出し、その間敵の背後陣地を襲い戦場離脱を困難にさせ、もって敵を攻撃にいたらしめて大軍と野戦陣地で壊滅的打撃を与えた。

楠木正成もこの範疇に入ると個人的には思っている。彼は勝兵になりがたかったため、その基調になったのは持久消耗戦略である。古来、ガリア戦争中のウェキンゲトリクスの例を引くまでもなく、劣勢軍隊の常套手段である。元弘の乱では理解ある軍事指導者(護良親王)に恵まれて勝利に結び付けられたが、つづく足利尊氏との戦いでは政策決定者(朝廷)の無理解によって戦死した。



これに対する考えもある。

日本の武士たちの中では、「多勢で小勢に勝つのは真の勝利ではなく、小勢で多勢に勝って真の勝利」[相良(2010)P46]という思想もあった。

古代に微すれば、カンネー会戦、ファルサロス会戦。日本古戦史なれば、いわゆる戦国三快戦、桶狭間の戦い、厳島の戦い、川越夜戦がある。


ここらへんで、力尽きた。

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プロフィール

Author:hikasuke
主に日本陸軍、第1次大戦の戦史メモを掲載しています。ニッチすぎて同志が見つかりません。
最近のHNはだいたいHikasukeで統一しているので、ネットの海のどこかで会ったら同一人物かも知れません。同じHN使っている人いなさそうですしね。
戦史好きですが、最近は戦史をより理解するために、戦術のベンキョーしてます。
本家は「どんぐりのきのみ」。

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